阪神電車

project 未知への挑戦 プロジェクト

HANSHIN沿線の良さをもっと知ってもらうために― 沿線活性化プロモーション

  • 平尾 正

    1995年入社
    経営企画室 広報・沿線活性化担当

    西梅田開発事業でハービスPLAZAの開業準備、販促、営業管理に携わった後、法務担当、経営計画担当を経て現職。

  • 髙田 梓

    2006年入社
    経営企画室 沿線活性化担当

    不動産事業本部に配属後、2007年に阪急阪神ビルマネジメント株式会社に出向。沿線高架下物件の新規開発や、商業施設・オフィスビルの運営管理を担当し、2014年から現職。

  • 石川 恭平

    2015年入社
    経営企画室 沿線活性化担当

    新入社員研修を経て、経営企画室に配属。灘五郷の酒蔵とコラボした地域活性化や産学連携による居住促進プロジェクトなど、次々と活躍のフィールドを広げている。

PROLOGUE
少子高齢化の影響で人口減少が進行する昨今、HANSHINにとって、経営基盤である沿線の活性化は永続的に取り組むべき課題だ。経営企画室「沿線活性化担当」のミッションは、沿線の魅力を高め、賑わいを創出するような施策を実行し、沿線の交流人口と定住人口の増加に繋げること。「沿線活性化プロモーション」とは、そのために沿線の魅力や価値の向上に繋がる取り組みを発信していく活動だが、内容は社外PRから社内浸透のためのコミュニケーションまで幅広い。前例がないなかでプロジェクトを立ち上げ、手探りで形にしていくことも多い。「住んでよかった」「訪れてよかった」「働いてよかった」と思われるHANSHIN沿線にするために―社員が挑んだプロジェクトの成果とは。

HANSHINの歴史を
次代を担う子どもたちに伝える。

大正時代に製造され、HANSHINの100年以上の歴史を今に伝える車両が、尼崎センタープール前駅高架下に長年保存されていた。「この車両を活用して、沿線活性化につなげることができないだろうか」。そのアイデアから誕生したのが、子ども向けの体験型学習施設「阪神電車まなび基地」だ。保存車両の展示に加え、歴史紹介、運転や鉄道の設備保守の仕事体験など、子どもの学びに繋がるコンテンツを一堂に集め、HANSHINについて理解を深めてもらうことを目的としている。髙田は、このプロジェクトにメインメンバーとして関わった。
「子どもの頃の経験は一生ものになります。子ども向けの展示にする以上、知識をいかにかみ砕いてわかりやすくするかが重要でした(髙田)」。HANSHINの膨大な歴史が記されている社史も何度読み込んだかわからない。「110年の歴史をどのように発信するか悩みましたね。会社として出すものである以上、間違いがないのは当然のこと。正しい情報を興味を持って理解してもらいたかったので(髙田)」。

次の100年に繋がる
アクションを。
髙田の担当プロジェクトは「阪神電車まなび基地」の開設だけではない。沿線活性化担当の各メンバーは平均して4~5件のプロジェクトを同時に手がける。そのため「阪神電車まなび基地」のオープン日が近づくにつれて忙しさも増していったが、「先輩たちが100年以上にわたって築いてきた歴史を、次代を担う子どもたちに伝えていくことは “HANSHINの次の100年”をつくることに繋がるという思いがありましたので、非常にやりがいを感じていました(髙田)」。
「阪神電車まなび基地」は、2015年4月12日、HANSHINの開業110周年に合わせてオープン。メディアの取材も入り、地元の子どもたち、尼崎市の稲村和美市長、阪神電鉄の藤原社長によるテープカットで始まったセレモニーは大きな盛り上がりを見せた。オープン初日だけでなく、その後も見学会や社会見学の利用申し込みがコンスタントに続き、開設1年目から順調なスタートを切った。「現時点では増加傾向にある沿線の人口も、いずれ減少に転じると予想されています。選ばれる沿線を目指し、お客様、地元や自治体の連携先、当社の3者にとってWIN・WIN・WINとなる取り組みを継続していきたいと考えています(髙田)」。

守るべきものを守りながら
前例のない取り組みに挑む。

「阪神電車まなび基地」がオープンした2015年度に入社した石川は、新入社員研修を経て、沿線活性化担当の配属となった。配属2年目、いくつかの既存プロジェクトでメンバーとして経験を重ねていた石川が、中心となって1から立ち上げた取り組みがある。「アニメ「坂本ですが?」とタイアップした地域活性化に西宮市と連携して取り組むことになったんです(石川)」。作品の舞台は作者の出身地である西宮市の鳴尾駅周辺で、作中に沿線の風景やスポットが数多く登場する。HANSHINにとっては、沿線をPRできる絶好のチャンス。何ができるか、何をするべきか―考え抜いてたどり着いたのは、作品に登場する「聖地」をめぐるスタンプラリーに加え、最寄りの鳴尾駅を装飾するというものだった。
「ただ、アニメとのタイアップで駅の装飾までした前例がなかったため、苦労しました(石川)」。特に難航したのが、アニメ製作サイドと駅を管理する鉄道部門との調整だ。「やるからには、ファンの方に本気で喜んでもらいたい。世界観を損なわないためにも作品を読み込み、駅という場所で登場人物のキャラクターをどうすれば活かせるか、検討を重ね、提案し続けました(石川)」。いよいよ、装飾内容が固まるかというとき、駅長からの安全面の指摘があった。「すぐに現地に向かい、別の案を検討しました。安全は最優先ですから(石川)」。代わりとなる案が認められ、2016年11月、アニメ「坂本ですが?」とのタイアップ企画は当初の予定通りスタートした。

沿線をもっと輝かせるために。アニメ「坂本ですが?」タイアップ企画は、全国からファンが訪れ、スタンプラリーに参加するだけでなく、鳴尾駅の装飾がSNSに大量にアップされ拡散されるなど、目に見える形で成果が表れた。しかも、鳴尾駅周辺の居住者の地元愛をくすぐることにも繋がったという。「この企画を通じて、自分の住む地域が作品の舞台になっているのを知ったというお声もたくさんいただきました。沿線に住む方、沿線を訪れる方、どちらにも喜んでいただける結果になったことが本当にうれしくて。(石川)」。
鉄道会社にとって、沿線の魅力を高め、その良さを伝えていく活動は、未来永劫にわたって取り組むべきものだ。髙田、石川が所属する沿線活性化担当は、これからも様々な手法や施策を駆使して、沿線の活性化に向き合っていく。

次なる未知へ

2016年11月、大学生を中心とした若者に絶大な支持を得ている雑誌「TOKYO GRAFFITI」とのコラボレーション企画「HANSHIN GRAFFITI」がスタート。地元の方のリアルな姿を通してHANSHIN沿線の魅力を発信する、関西の鉄道会社で初の取り組みである。

先輩からプロジェクトメンバーへ先輩からプロジェクトメンバーへ

沿線活性化担当はわずか10名ほどの組織なので、一人ひとりが企画の立案からプロジェクトの進行、細部の詰めまで責任を持ってやり遂げなければいけません。守備範囲が広い分、やり甲斐のあるセクションです。HANSHINをもっとわくわくする企業にしていくために、いろいろなことに興味を持ち、本気で様々なプロジェクトに取り組んでいってほしいと思っています。

平尾 正
経営企画室 広報・沿線活性化担当